相続手続きに関してプロの覚え書き

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相続権の剥奪はできる?配偶者が失踪、どうする?

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生命保険の活用

生命保険金は相続財産ではありませんので、相続対策に有効な活用をすることができます。
というのは、特定の相続人が死亡保険金の受取人に指定されているときは、保険金受取人の固有の財産になりますから、遺産分割や遺留分算定の対象になりません。それから相続放棄をしていたとしても、保険金は受け取ることができるのです。

それと遺産分割での活用例をあげます。

被相続人の遺産が不動産しかない場合、それを同居していた配偶者や子に相続させたい場合、他に相続人がいて、相続分を放棄してくれればよいのですが、当然のように自分の法定相続分を要求してくることもあるでしょう。その時に、不動産を相続したい方は、被相続人の遺産に現金預貯金がない場合、自腹を切ってでも相続分の支払いをしなくてはなりません。

この時、被相続人が不動産を相続させたい配偶者や子が受け取れる生命保険をかけておいてあげれば、生命保険金は受取人固有の財産ですので、当然に保険金を受け取り、それから代償金を他の相続人に支払うことができます。

ただし、保険料や死亡保険金の額は代償分に妥当なものであるべきでしょう。
ここで注意しなくてはならないのは、生命保険金の受取人は必ず不動産を相続する方にすることです。

他の相続人が受取人になってしまうと、その方は生命保険金を受け取るだけでなく、さらに不動産の相続人に対し、遺留分や代償分の請求ができることになってしまいます。
それから生命保険金は相続が発生した後、受取人が単独で保険会社に支払い請求を行えば、通常その後2~3週間くらいで受け取れるでしょう。
ところが相続財産である預貯金は、遺産分割協議の成立後でないと引き出しできません。
また財産が相続税の基礎控除を超える場合、現金で残すと相続税がかかりますが、生命保険金として相続税がかからない範囲で残すことができます。
それから被相続人が保険料を贈与して自分の保有資産を減少させ、相続税対策を取ることもできます。

 

相続人の廃除って簡単にできるの?

被相続人が、民法892条の定めるところにより相続権を持つ人間に著しい非行の事実がある場合に、家庭裁判所に「推定相続人廃除調停申立て」をすることにより推定相続人の持っている遺留分を含む相続権を剥奪する制度です。
ただし、その相続人に子がいる場合にはその子供に相続権が移行されることになります(代襲相続)。


廃除の理由となる場合としては以下のようなものがあります。

  • 被相続人を虐待した場合
  • 被相続人に対して、重大な侮辱を与えた場合
  • 推定相続人にその他の著しい非行があった場合
    o被相続人の財産の不当処分
    o賭博を繰り返して多額の借財を作りこれを被相続人に支払わせた
    o浪費、遊興、犯罪行為、異性問題を繰り返す親泣かせの行為
    o重大な犯罪行為を行い有罪判決を受けている
    (過去の判例からの一般論としては5年以上の懲役、
        無期または死刑に該当するような犯罪行為)
  • 相続人が配偶者の場合には婚姻を継続しがたい重大な事由
    o愛人と同棲して家庭を省みないなどの不貞行為
    o夫婦関係の事実が存在しない(遺産目当てに戸籍上の夫婦になった場合など)
  • 相続人が養子の場合には縁組を継続しがたい重大な事由
    o親子関係の事実が存在しない(遺産目当てに戸籍上の養子になった場合など)

家庭裁判所はこの申立てに対し慎重に審議する傾向にあり、実際に相続廃除が認められた事例は多くありません。また、相続廃除は遺言で行うことも可能ですが(民法893条)、推定相続人が異議申立てをすると認められない場合がほとんどで、推定相続人が一切の異議を申し立てないか、重大な犯罪行為で刑務所に入っている最中でもなければ相続権が剥奪されることは稀なのです。

 

生死不明と失踪宣告。離婚した配偶者の相続はどうなる?

配偶者が三年以上生死不明の場合は、それだけで離婚が認められます。(民法770条1項3号)
ただし相手が行方不明なので、協議離婚も調停もできません。家庭裁判所に提訴して公示送達という方法で離婚判決を得なければなりません。

もうひとつの方法は失踪宣告を得る方法です。
7年間以上生死不明の場合には、利害関係人が申し立てて家庭裁判所に失踪宣告を下してもらうことができます。(民法30条1項)
詳しくはこちら ↓

blog.souzoku-yuigon.info

 失踪宣告がなされると、生死不明となってから7年経過した時点でその人は死亡したものとみなされます。
戸籍にも死亡の事実が記載されます。相続も発生し、配偶者として相続分を取得します。配偶者の一方が死亡すると婚姻も終了しますから、そのあとは残された配偶者は自由に再婚することができます。
万が一、行方不明の人が生きていたら、その時点でその人の戸籍の回復はできます。ただし失踪宣告が取り消されるので、婚姻も復活します。もし配偶者が再婚をしていると、重婚となり再婚が取り消される危険があります。しかし、いったん相続した財産についてはその時点で残っている分を返還すればよいとされています。
さて一方裁判離婚した場合は、あとで配偶者が現れたからといって離婚が無効になるということはありません。ですから再婚を希望するなら離婚判決を得る方を選択すべきでしょう。

監修

相続法務指導員 川島幸雄

相続手続き代行 埼玉県羽生市の身近な相続・遺言相談室
相続問題解決の埼玉県羽生市の身近な相続・遺言相談室を運営中。
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