相続手続きに関してプロの覚え書き

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相続放棄や任意後見制度、遺留分計算の誤解と事例

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相続放棄の誤解

よく「私は相続を放棄したので、遺産は全部●●のものになりますね。」とおっしゃる方がいます。
実はこの「相続放棄」というのは、きちんと理解をしていないと、たいへんな相続問題になってしまうのです。

ところがたいていの方がおっしゃる「相続を放棄しました。」というのは、法的にいう「相続放棄」ではありません
ただ単に相続人間で、放棄をした、と言っているにすぎないのです。
相続放棄というのは、特定の相続人の方に全財産や土地建物の名義を集中させたい場合に使われることが大半のようです。
つまり相続人が複数人いて、その中の一人が土地建物や、特定の財産を相続する、(させたい)場合、他の相続人がそれぞれの相続分(持分)を放棄するということですね。
でもこれは自分の相続分を放棄ということではなく、「自分はゼロ円を相続する」、あるいは「ゼロパーセントを相続する」という遺産分割になります。

ですから遺産分割協議には、「特定の財産について特定の相続人の方がすべて相続する。」という文面で、他の相続人の方が署名捺印すればよいわけです。
でもこれは法的にいう、相続放棄ではないので、他の相続人の方の相続権が全くなくなったわけではありません。
つまり後日、亡くなった方に借金があったことが判明した場合、その借金の相続から逃れることはできません。

そういう不安をのぞく、いわゆる法的な「相続放棄」は家庭裁判所に放棄したい本人が申し出て、家庭裁判所の許可をもらわなくてはなりません。
そしてあなたが家庭裁判所に「相続放棄」を認められると、あなたははじめから相続人ではなかったという扱いになります。
すると相続人の人数や相続権のある方が変わっていきます。
ですので相続放棄というのは慎重に、しかるべき専門家に相談をしてから進めなければ、全く意図しない相続問題に発展してしまう可能性がありますので、ご注意ください。

 

任意後見人は姉妹でなれます。

任意後見制度というのは、お母さんがまだ判断能力がしっかりされているうちに、ご自分がもし認知症になってしまったときに後見人になってもらう方を今のうちに決めておくものです。これは公証役場で契約し、公正証書にしておかなくてなりません。

この任意後見制度には移行型といって、今お母さんがお元気で判断能力もしっかりしているうちに、一定の財産管理だけについてお姉さんやあなたに管理を委任することができます。たとえば金融機関からの引出しや介護施設との契約、高額商品の購入などについてはお二人がお母さんに代理して行う。それ以外はお母さんの自由です。という契約が可能です。

つまり社会福祉協議会に通帳のみ預けるとか、財産管理の一部をお任せするのなら、いっそ姉妹お二人で今のうちにお母さんの一部の財産管理の委任契約をまじえた任意後見契約を結んでおくのです。
姉妹お二人で同時に任意後見人になる契約をお母さんと交わすので、はじめはお姉さんが財産管理を行い、もしお姉さんがなくなったら、あなたがいつでも引き継げますし、最初からお二人で分担するなりして進めることも可能です。
これなら今まで通り、お母さんと直接やり取りするので、行き来が途絶えることもありません。
ただし公証役場での契約手数料が4~5万位かかると思います。
でも契約内容は登記されますので、お二人はお母さんの財産管理等がどうどうと行えますが、反面金銭関係の使い道はきちんと記録しておかなくてはなりません。委任契約中はお母さんに対して報告義務があり、任意後見がはじまると任意後見監督人に報告義務が発生します。

 

生前贈与がある場合の遺留分計算事例

たとえば、遺産が2000万円、法定相続人が子A、B2人(相続分は各1/2)とした場合、法定相続通りに分けるとすると、A、Bはそれぞれ1000万円ずつ相続することになります。

しかし、Aが生前、被相続人より500万円の贈与を受けていた場合
実態はA1500万円、B1000万円を被相続人から受け継いでいるので、Aが500万円多くもらうことになります。そこで、Aが贈与されていた500万円もいれて被相続人の財産は2500万円、それを分けると1250万円ずつになります。Aはすでに500万円をもらっているので、1250万円-500万円=750万円、Bは1250万円を受け取ることになります。

また、全財産をAに相続させる遺言があった場合
・A、Bともに生前贈与がない場合、Bは遺留分として2000万円の1/4、つまり500万円もらえます。
・Aへの生前贈与500万円があった場合、2500万円の1/4=625万円を受け取ることができます。

全財産をBに相続させる遺言があった場合
・生前贈与がない場合、Aは遺留分500万円をもらえます。
・Aへの生前贈与500万円があった場合、Aの遺留分は625万円ですが、すでに500万円を受け取っているので、625万-500万円=125万円しか受け取れません。

特定の相続人に遺産を渡したくないと思っても、子どもが相続人だと遺留分の問題が出てきます。遺留分や生前贈与のことを考慮しながら、最大限、遺言者の意思に沿った相続が行われるような遺言書を作成するためにも、行政書士に相談することが大切です。

 

身近な相続・遺言相談室
http://www.souzoku-yuigon.info

 

 

監修

相続法務指導員 川島幸雄

相続手続き代行 埼玉県羽生市の身近な相続・遺言相談室
相続問題解決の埼玉県羽生市の身近な相続・遺言相談室を運営中。
「わたしたちは、まず関係者全員から相続に関する委任の同意を得る事から始めます。このため感情的な争い、訴訟になる可能性がぐんと減ります。相続トラブルや、相続争いがご心配な方は、ぜひ当事務所にご依頼ください。」

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