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相続したら終わりじゃない!連帯保証責任の問題

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相続税の連帯保証人

兄弟で父親の相続をし、不動産をもらった兄は相続税を分割払いする延納を選択、弟は株式を相続し、相続税を一括納付した。
しかし、最近兄が相続税を滞納したにもかかわらず、税務署からは弟に収めるよう督促状が来た。弟は納得できない。
しかし、相続税法は、同一の被相続人から遺言による遺贈や相続により財産をもらった人すべてを対象に、受け取った利益相当額を限度として、お互いに連帯して相続税を納める責任を負うと定めています。これは、相続税を着実に徴収するために相続人らに特別の責任を課したものです。相続税の連帯納付義務については、民法の連帯保証に準じて取り扱われることになっています。
この連帯納付義務については、期限までに税金を納めなかった際に改めて一定の期限を設けて納税を請求する「告知」のような措置はありません。税金の滞納が起きると、ほかの相続人などに対して、すぐに督促状を送ることが認められています。そしてこの督促状が送付されて十日以内に税金を完納しないと、差し押さえなどの滞納処分が始まることになっています。
このように連帯納付義務はかなり厳しい内容です。
贈与税についても、財産をもらった人が贈与税を納めなかった場合、財産を分け与えた人自身が連帯して贈与税を納付する義務を負うこととされています。

 

共同相続人間の担保責任(民法911~913条)

民法911条(共同相続人間の担保責任)
ABCD四人の共同相続人がいて、もしAのもらった土地が他人のものであったため取り返されたり、坪数が不足していたりした場合には、AはBCDにその損害の補償を求めることができます。

民法912条(同前ー相続した債権の債務者が資力不足の場合の分担)

  1. Aが遺産分割によってもらうことになった債権の債務者が資力不足であったため、その債権の取り立てが十分できなかったときは、他の共同相続人BCDは、分割の時の債務者の資力を基準に計算したAの損失を、自分の相続分の割合で分担しなくてはなりません。
  2. Aのもらった債権が、遺産分割当時、まだ支払い期になっていないものや、一定の条件が発生したら支払われることになっているもの(停止条件付きの債権)には、1の基準は、その債権の支払期限がきたときとなります。

例えば、Aの債権が1000万円で、債務者が600万円しか支払えなかったときは(共同相続人ABCDの相続分が同じであれば)BCDはAに対し100万円ずつ補償することになります。(この場合Aも100万円を分担する形です。)

民法913条(同前ー損失分担者が無資力の場合)
前二条で損失を分担しなければならない相続人の中の一人Bが、資力不足のため自分の分担額を支払うことができないときは、その払えない部分については、他の共同相続人ACDが自分の相続分の割合に応じて損失を分担することになります。
しかし、もしAがBに早く支払を求めれば支払を受けることができたのにこれを怠ったためにBが無資力になってしまったというようにAに落ち度があったときは、損失はAだけで負担し、CDに分担を求めることはできません。

 

限定承認

質問:遺産が借金の方が多い場合、限定承認ができるそうですが、遺産の自宅がどうしてもほしいとき限定承認できますか?

回答:限定承認は遺産の範囲内でしか債務の責任を負わない制度です。ですから自宅がどうしてもほしい場合は限定承認をしてみることです。
ただし債務が多いと自宅が残らないかもしれません。
限定承認をしておくと遺産の範囲を超えてまで借金を相続することはないという制度です。 

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プラスの遺産とマイナスの遺産をよく把握しておくことが大切です。