相続手続きに関してプロの覚え書き

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行方不明や認知症etc. 相続時にこんな制度がある

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行方不明は失踪宣告により相続開始

失踪宣告の制度の説明です。
失踪宣告は利害関係人の請求により、家庭裁判所がする審判です。失踪宣告によって失踪者は死亡したとみなされ、配偶関係も終了しますし、同様に相続も起きることになります。
失踪宣告は次の場合に認められます。

  1. 不在者の生死が7年間不明のときは、その期間満了の時に死亡とみなされます。
  2. 戦地や、沈没した船舶に乗船していたり、その他死亡の原因となる危難に出会った者が戦争終了後、船舶沈没または危難の去った後一年間不明のときは、危難の去った時に死亡とみなされます。

また失踪者が生存していたこと、又は別の時期に死亡していたことが証明されたときは、家庭裁判所は失踪宣告の取消をしなければなりません。しかし、その取り消し前に善意でした行為は有効です。失踪宣告によって財産を得た者は、取り消しによって権利を失いますが、現に利益を受けている限度で返還すればよいことになっています。使ってしまった分まで弁償する義務は負わないということです。

 

法定後見制度を利用する場合

認知症など精神上の障害で判断力が低下し、契約や遺産分割などの法律上の行為をする際に支援が必要な人がいて、これらの人から相談を受けて契約などに同意したり、代理したりして支援・保護する仕組みを成年後見制度といい、このうち、家庭裁判所が支援する人を選ぶ仕組みを法定後見制度といいます。
法定後見制度による支援には、本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の三種類があります。
「後見」は、重い認知症などにより判断能力が無くなった人が対象です。
親族などから申し立てを受けた家裁が後見開始の審判をし、後見人を選びます。後見人は、遺産分割の協議はもちろん本人のほとんどすべての財産上の行為について代理をします。
「保佐」は、判断能力の著しく不十分な人が対象です。
保佐人が選任され、別表に掲げたような重要な行為について、本人の相談を受けて同意をします。特定の行為について代理することもあります。本人が同意なしにした行為は取り消すことができます。
「補助」は、判断能力が不十分な人が対象です。
一応の判断はできるが、高度の判断を要求される取引については他人の援助が必要な場合に補助人が選任されます。補助人は、家庭裁判所が決めた特定の取引について相談を受け同意をしたり、代理したりします。

 

義母への貢献は相続に反映されないのか?

Q.病気で寝たきりの義母を看病しているが、もし義母が亡くなった場合、相続財産について何らかの主張ができるのでしょうか?
亡き夫との間に子はありません。

 A.まず民法が定める寄与分の要件ですが、

  1. 相続人自身の寄与であること。
  2. 身分関係上、通常期待される以上の特別の寄与であること。
  3. 相続財産の維持、増加に貢献していること。
  4. 寄与行為に対し、生前贈与などの補償を受けていないこと。

とあるように、あくまでも「相続人であること」が前提です。
質問者の場合、夫が生きていれば、夫の寄与分として評価される余地はあります。
しかし、夫が亡くなった以上、これも不可能です。
そこで、義母と話し合い養子縁組するか、寄与相当分の財産を遺贈する遺言をしてもらうのが確実でしょう。

 

「不動産の遺贈」は相続に比べ不利

遺言による財産の承継には、「遺贈」と「相続させる遺言による承継」(いわゆる相続)の二つがあります。
遺贈は遺言による財産の無償譲渡です。遺贈は相続人、相続人以外のいずれに対してもできますが、相続させる遺言は相続人に対してしかできません。
遺贈は民法に規定がありますが、相続させる遺言は公証人の考案です。
 財産を「与える」とか「譲る」と書かれた遺言であれば、多くの場合、相続させる遺言と解することができると思います。しかし、「遺贈する」とかかれていると、たとえ相続人であっても、判例では遺贈としか解釈できないとされています。

不動産の遺贈の場合は相続に比べ受取人に不利になる点があるため、特に注意が必要となります。

 

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