2017年04月20日

不動産を相続する場合の注意点

相続財産である不動産に抵当権が設定されているというのは二つの場合が考えられます。
一つ目は被相続人自身がローンを組んでいて、その担保として抵当権を設定していた場合です。
この場合には相続人はその借金も引き継ぎますから、債務者として支払い義務を負います。
しかし、死去したために団体信用生命保険で決済されれば債務はなくなり、抵当権も消えます。
そうでなければ相続人は被相続人の債務を相続するか否かを決めなければなりません。
二つ目は被相続人が他人の借金を担保するために抵当権を設定していた場合です。これは物上保証人の立場を相続人が引き継ぐことになります。
この場合、債務者が返済している間は良いのですが、もし債務者が債務を支払わなくなった場合には、この不動産は競売にかけられてしまいます。相続人としては債務者に買い取ってもらうのが一番良いのでしょうが、それだけの資金があれば最初から借金などしないでしょうね。
いずれにしても自分が不動産を相続する場合、きちんと登記簿謄本で調べてから相続するか否かを決定することです。
また名義が被相続人以外の場合(例えば被相続人の父親のままだった)とか、持分が被相続人と他の人との共有だったという場合もあります。
このように不動産の相続にはさまざまな問題がある場合があります。
相続する段階で気づいたのではかなり面倒なことになります。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 19:52| 遺産相続 遺言

2017年04月19日

不動産の相続登記に期限がありますか

亡くなった方が不動産(土地・建物)を所有していた場合、その相続手続きに期限があるのでしょうか?という質問をよく受けます。
結論としては期限はありません。相続するか、相続放棄をするかを三ヶ月以内に決めなければならないというのは民法で規定されていますが、相続をすると決めたのであれば、その相続手続き(事務的なもの)をいつまでにしなければいけないということはないのです。
ただし相続税の申告については、亡くなった日から十カ月以内という期限があります。
それから配偶者控除や小規模宅地の軽減など税制上の優遇措置を受けるためには、相続した翌年の確定申告時期に申告をしなければこれらの措置を受けることができません。
さて問題は不動産の相続登記です。
亡くなった方名義の不動産は、遺言書がない以上、遺産分割協議をして相続人の名義に変更しなければなりませんが、それを行わないとどのよう問題が生ずるのでしょうか?
まず、不動産の名義は相続手続きをしない限り亡くなった方のままですが、相続が発生した瞬間から所有権そのものは相続人に移行します。
これは自然発生です。
亡くなった方に権利はありませんから、所有権は生きている相続人に引き継がれます。
法定相続人が一人ならその方の所有に、複数ならその相続人全員の共有物となります。
そして相続人全員が自分の持ち分を登記することもできますし、相続人全員の合意があれば、特定の相続人の所有となる登記をすればよいことです。
また全員が持ち分をもったままの共有登記を一人の相続人だけで行うこともできます。これは共有物の保存行為となるからです。また相続人の債権者も債権者代位権により共有登記を申請することができます。またこの共有権は譲渡することもできますし、債権者が差し押さえをすることもあります。
さらに共有状態のまま相続人のどなたかが亡くなると、その相続人である配偶者や子供たちがさらに共有持ち分を相続する状態になり、相続はどんどん複雑になっていきます。
いずれにしても共有のまま不動産を売却したり、建物の大幅な増改築などを行いたい場合は共有者全員の合意が必要になります。
ですからあまり共有状態で相続手続きを先延ばしにするととても面倒なことになる恐れがあります。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:36| 遺産相続 遺言

2017年04月18日

遺贈の種類と遺贈義務者

遺贈とは、被相続人が遺言によって無償で自己の財産を他人に与える処分行為(民法964条)です。物権・債権の移転、使用収益権・担保権の設定、債務の免除なども遺贈の対象です。
遺贈義務者は法定相続人です。遺言執行者が選任されている場合は、遺言執行者が法定相続人の代理として遺贈を行います。
<遺贈の種類>
@特定遺贈
A包括遺贈
B条件付き遺贈(停止条件や解除条件を付した遺贈)
C期限付き遺贈(始期や終期を定めた遺贈)
D補充遺贈(Aに甲地を遺贈するが、Aが断ったらBに遺贈する。又はAが放棄したらBに遺贈する等)
E後継ぎ遺贈(財産をすべて妻に遺贈するが、妻が死亡した場合に残っている財産を長男に移転するなど)
 しかし、これは妻の意思を無視する行為として法的には認められない。相続人が了解するか否かとなる。
F裾分け遺贈(受遺者Aは、その受ける財産上の利益の一部を割いてBに与えよという内容の遺贈)
G負担付き遺贈
です。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:28| 遺産相続 遺言

2017年04月16日

遺贈の効力発生と無効となる場合

遺贈の効果
遺贈の効力が発生した後、受遺者が遺贈の承認又は放棄の意思表示をすることなく死亡したとき、原則として(遺言者が別段の意思を遺言中で表示していない限り)受遺者の相続人に承継されます。
遺贈の無効事由
@遺言者が死亡する以前に受遺者が死亡した場合(民法994条1項)。
A停止条件付き遺贈で、条件成就する前に受遺者が死亡した場合(別段の意思表示がされていない場合(民法994条2項)。
B遺贈の目的物が、遺言者の死亡時点で相続財産に属していなかった場合(民法996条)。

遺贈が無効となった場合や遺贈の放棄によって失効した場合において、受遺者が受けるべきであった財産は、遺言者が別段の意思を遺言中で表示していた場合を除き、相続人に帰属します。(民法995条)。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:47| 遺産相続 遺言

2017年04月12日

新婚夫婦が飛行機事故や交通事故で同時に死亡した場合の相続

結婚の届出を済ませたばかりの新婚旅行中の夫婦が飛行機事故で死亡した場合、その夫婦に子供がないとすると
相続人はそれぞれの親になります。この場合たとえば夫が一分一秒でも先に死亡したことが明らかであれば、夫の財産の半分を妻が相続し、それを妻の両親が相続することになり、逆に妻が先に死亡したことが証明できれば夫が妻の財産を相続し、それを夫の両親が相続するということになります。しかし現実、飛行機事故ではどちらが先に死亡したかの証明は不可能に近いので、このような場合には夫婦は同時に死亡したものと推定されます。そして同時に死亡した者の間では相続は発生しませんので、夫の財産は夫の両親へ、妻の財産は妻の両親へ相続されます。もし両親(十分に財産はもっているので)以外に財産をあげたい場合は、夫婦がお互いに遺言を残し、このように同時死亡と推定される場合はだれだれに遺贈する、としておけばよいでしょう。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:10| 業務

2017年04月11日

可分債権債務、不可分債権債務の相続

金銭などの可分債権債務は、民法900条に規定される相続人各人の相続分に応じて支払う義務があり、請求する権利があります。しかし、物の売主の引渡し義務や土地所有権に基づく建物収去、土地明け渡し請求権などは不可分的に相続されますから、債権者は相続人の一人に対しても、全部の履行を請求できるのです。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:32| 遺産相続 遺言

2017年04月10日

相続するか、相続放棄をするかを決めなければならない「三ヶ月」という期間について

相続放棄だけでなく、民法では第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)で「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三か月以内に、相続について単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって家庭裁判所において伸長することができる。」とあります。
まずこの意味について述べます。
たとえば相続が開始して、相続人が家庭裁判所に相続放棄の申述か、相続人全員で限定承認の申述をしなければ、単純承認といって、亡くなった方の財産(債務があれば債務も含め)相続をすることを認めたことになり、いったん単純承認をすると、以後取り消しはできません。
さてここで問題なのは亡くなった方に債務(借金)があったかどうかというのを把握するのはとてもむずかしいということです。
預貯金通帳の支払い明細で毎月一回出金(返済)の形跡があれば注意、といいますが、専門家でもない限りわからない面もあります。まして債務者からの通知などが保管されていることもまれです。
人間、債務というのは隠したがりますから。
そして相続人が相続を承認してから、半年〜一年位経った頃、債権者が相続人に、被相続人に○○円債務があり、返済について相談したい、とか、二週間以内に返済してください、といった文書が来て、驚嘆してしまうことになります。
こうした場合に、あくまで法律で「ある方が亡くなったことを知ってから三か月以内に相続放棄の申述をしないと相続放棄は認められない。ですから債務は相続人が全て負担しなければならない。」としたら、相続人にとってこんな理不尽なことはないでしょう。
そこである方が亡くなってから半年、一年と経過してからでも相続財産について一切触れていないとか、一銭も受け取っていないということであれば、そのような督促状が届いてはじめて被相続人に債務があったことがわかった時点で、家庭裁判所に相続放棄の申述をすれば受理される可能性があります。
ただしその経緯、理由について明確に記述しなければなりません。
あくまで基本は自己のために相続が開始したことを知った時から三ヶ月ですから。
いずれにしてもこういう問題でお困りの方は専門家にすぐご相談ください。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 21:23| 遺産相続 遺言

2017年04月09日

相続財産に使途不明金がある場合

使途不明金とは、@被相続人の死亡直前に被相続人名義の預貯金を引き出してしまう場合A被相続人の死亡後に、被相続人名義の預貯金口座から金員を引き出してしまう場合があります。
このように被相続人の預貯金が無断で払い戻され、特定の相続人が取得した場合は、不法行為又は不当利得の問題で訴訟事項です。したがって遺産分割審判では取り上げることはできません。

@使途不明金が判明しなかった場合
 「他にも遺産がある」といって譲らない人がいるとき 
   イ.不法行為に基づく損害賠償請求 
   ロ.不当利得返還請求訴訟を別途提訴
 調停は「使途不明金がないもの」として続行します。
A使途不明金が判明した場合
   イ.相続開始前の場合は被相続人の贈与の意思があれば特別受益の問題となります。
   ロ.被相続人に無断で引き出した場合で、自己使用を認めたなら遺産の先取りとして調停OK。
     自己使用を認めないなら、訴訟。
   ハ.相続開始後の場合は、ロとなります。
(日本加除出版発行「家庭裁判所による遺産分割・遺留分の実務」より)
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 21:28| 遺産相続 遺言

2017年04月08日

遺産分割協議が整わないうちに相続人の一人が死亡してしまった場合

ある方が亡くなって、その遺産分割協議がまだ整わないうちに相続人の一人が亡くなってしまいました。
この場合、この亡くなった相続人に妻や子がおれば、その方たちが亡くなった相続人に代わって遺産分割協議に加わります。
ここまではご存じの方も多いのではないでしょうか?
しかし、ここで面白い判例を見つけました。
この亡くなった相続人に妻も子もない場合、つまり独身だった場合、この方の相続分は他の相続人に帰属してしまうのでしょうか?
平成元年の最高裁の判例では、この場合民法958条三項の規定を適用すべしとしました。
つまり「相続人が一人もいない場合には、家庭裁判所は、相当と認めるときは相続される人と特別の縁故関係があった者、すなわち生活を共にしていた者や相続される人の療養看護に努めた者などの請求により、遺産を清算した残りの財産の全部または一部をこれらの者に分与することができる。」を優先すると。
ということは「共有者の一人がその持ち分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持ち分は他の共有者に帰属する。」という規定の中で共有者の一人が相続人なくして死亡した場合、その共有持ち分は当然に他の共有者に帰属するわけではないということになります。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 19:06| 遺産相続 遺言

2017年04月06日

相続人の一人が遺産を勝手に使ってしまった場合

「父親が亡くなったあと、生前に同居していた兄が父親の預金を勝手におろして使っていたことが発覚しました。兄は父親のために使っていたというが、何に使ったのかはっきりしません。この場合父親の遺産と兄が使った預金との関係はどうなるのでしょうか?」という問題はけっこうおきがちなケースです。
まして父親が認知症であった場合などでですね。
さてこの場合は、まず父親が兄に自分の財産管理を委任していたか否かが問題です。
もし委任していたというなら、口頭でも良いのですが証人又は証拠が必要ですね。
そのどちらもないということであれば、私的に使ってしまったといわれても仕方がないでしょう。
その場合は、相続発生時に父親の兄に対する損害賠償権を相続人がそれぞれの相続分に応じて取得します。仮に父親が亡くなったあとでも引き続いて兄が勝手に預貯金を使い続けていた場合は、相続人の共有財産を使ってしまっているわけですから、これも各相続人が損害賠償請求権をもっています。
または代償請求権ですね。いずれもすでに各相続人に帰属してしまっているので、遺産分割協議を行う必要がないように思われますが、できるだけ遺産分割協議で解決するのが望ましいです。
それが叶わず、相手が支払いに応じない場合は、民事訴訟の手続きによらなければなりません。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 18:18| 遺産相続 遺言
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