2017年02月19日

不動産の遺産分割協議が成立したらすぐに登記をするべし

遺産分割協議が成立した場合は、遺産分割前の共有は解消し、相続人のどなたかの単独所有または新しい共有となります。この分割は相続開始のときにさかのぼって効力を生じます(民法909条)ので最初から分割してあったのと同様となります。
その他に遺産分割協議で不動産を売却して分ける(換価分割)か、あるいは一人の相続人が全部を相続し他の相続人に金銭を支払う(代償分割)という方法もあります。
そして遺産分割協議が成立したら直ちにその旨の登記をしましょう。そうしないと相続人の中で共有持ち分の二重処分をしてしまうという可能性が残っています。(弁護士石原豊昭著「財産相続なんでも事典」より)
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 21:12| Comment(0) | 遺産相続 遺言

2017年02月18日

ローン返済中の不動産の相続

被相続人の財産が不動産だけで、なおかつその不動産がローン返済中だった場合でも相続人はその不動産を相続しなければなりません。要するにローンという債務も相続し、支払い続けなければならないということです。
ただ不動産の場合は債務者であった被相続人が担保のため生命保険に入っていたケースが多く、死亡によって保険で保証され、債務がなくなる場合があります。
逆に大震災などでローン返済中のマンションが壊れ、無価値になった場合でも、抵当物に関係なく背負った債務は消えません。
つまり、債務は抵当物だけに付着しているものではないのです。
債務そのものは独立しています。
あくまでローンの担保として不動産に抵当権がついているということです。
またローンの債務はマイナスの遺産として相続人全員が相続分に応じて承継します。
債務一般については、法定相続分と異なる債務の分割は債権者に対抗できません。
例えば債務だけを勝手に無資力者に配分して、他の者は支払いを逃れるというわけにはいきません。
ただし、実際にはローンが不払いとなれば、まずローンの債権者に組まれた抵当物件の処分があるはずです。その処分でローンが完済になれば、他の相続人には波及しないのが普通です。
(弁護士石原豊昭著「財産相続なんでも事典」より)
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:14| Comment(0) | 業務

2017年02月17日

知らないと怖い債務の相続

判例によりますと、金銭債務は相続開始と同時に相続分に応じて分割され、他の相続人は連帯責任を負うものではないとしています。
では後日、相続分と異なる遺産分割が行われた場合はどうでしょうか?
これについても債務は相続分によって定まるものであり、遺産分割によって勝手に配分されるものではないというのが判例です。
したがって、遺産分割審判の対象にもならないのです。
逆に債権者としては、各相続人の資産の差により一部取りはぐれることもあるでしょうが、これに対しては、事前の担保権の設定などで対処するほかはないのです。
また保証債務とは、他人の債務について保証責任を負うという、保証人と債務者との契約による債務です。
したがって、保証人の相続人は弁済の義務を(金銭債務なら相続分に応じて)負うことになります。
被相続人に債務があった場合、家裁への相続放棄という手段がありますが、不動産などプラスの財産がある場合など、慎重に検討すべきです。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 21:35| Comment(0) | 遺産相続 遺言

2017年02月16日

相続した不動産に抵当権がついている場合とは

相続した不動産に抵当権が設定されているというのは二つの場合が考えられます。
一つは被相続人自身が借金をしていて、その担保として抵当権を設定していた場合です。
この場合には、相続人はその借金も引き継ぎますから、債務者として支払い義務を負います。
ただし死去したために、団体信用生命保険で決済されれば債務は亡くなり抵当権も消えます。
しかし、そうでなければ、相続人は被相続人の債務を相続するか否かを決めなければなりません。
二つ目は被相続人が他人の借金を担保するために抵当権を設定していた場合です。これは物上保証人の立場を相続人が引き継ぐことになります。
この場合、債務者が返済している間は良いのですが、もし債務者が債務を支払わなくなった場合には、この不動産は競売にかけられてしまいます。相続人としては債務者に買い取ってもらうのが一番良いのでしょうが、それだけの資金があれば最初から借金などしておらないでしょう。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 20:52| Comment(0) | 遺産相続 遺言

2017年02月15日

不動産を共有で相続したときの問題点

被相続人名義のまま遺産分割協議をしない状態の不動産は、相続人の共有ということになります。
さて共有名義の不動産では、共有者全員の同意を得なければ下記のことなどが実行できません。
1.土地が共有の場合⇒土地の利用形態・形質の変更、建築など
2.建物が共有の場合⇒家屋の取り壊し、大規模改造、新築への建て替えなど
3.共有不動産全体の売却など
たとえ親族間の共有不動産であっても、他の共有者の合意を得ずに強行することは、財産侵害になります。
さらに共有者の中で相続が発生すると持ち分権利はさらに細分化・複雑化することになります。
いずれにしても共有不動産の多くは流動性・換金性に乏しく、資産としても問題があります。
なるべく早期に共有状態を解消しておくことで将来の財産承継もしやすくなります。
なお共有不動産の分割には三つの方法があります。
1.現物分割、2.換価分割、3.代償分割です。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:10| Comment(0) | 遺産相続 遺言

2017年02月14日

遺産が不動産の場合の評価について

遺産に不動産があると、それをどう評価し相続配分するかが問題になります。
つまり、固定資産税評価額、路線価、公示価格、そして実勢価格と不動産の価値を表す算定方法は一つではありません。
相続税評価の場合は、家屋は固定資産税評価額で土地は路線価が基本のようです。
しかし、遺産分割協議ではこの土地については「売れたらいくら?」という実勢価格が話題に上ることが多く、不動産を取得して代償分を支払う側と代償分を手にする側での意見が対立し、なかなか決着することができなくなります。
この実勢価格をどの業者に、あるいは不動産鑑定士に確認するかにもよりますが、売れたらいくら?というのは、やはり危険です。あくまで「もし売れたら」の話ですから、実際にその土地を売って分ける、いわゆる換価分割をするのでない場合は、実勢価格を話題にするのは避けた方が無難です。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:17| Comment(0) | 遺産相続 遺言

2017年02月12日

亡くなった方の遺産を生前から、そして死後も相続人の一人が勝手に使っていた場合

「父親が亡くなった後になって、生前に同居していた兄が父親の預金を勝手におろして使っていたことがわかりました。兄は父親のために使っていたと言っていますが、何に使ったのかはっきりしません。この場合父親の遺産と兄が使った預金との関係はどうなるのでしょうか?」という問題はけっこうありがちなケースです。
まして父親が認知症であった場合などでですね。
さて、まずは父親が兄に自分の財産管理を委任していたか否かです。
この場合、口頭でも良いのですが、証人が必要ですね。
そして、に兄が委任を受けていたと主張した場合、父親のために使ったという証拠を出してもらいましょう。
そうでなければ私的に使ってしまったといわれても仕方がないでしょう。
その場合は、生前父親の兄に対する損害賠償権を相続人がそれぞれの相続分に応じて取得します。また父親が亡くなった後でも引き続いて兄が勝手に預貯金を使い続けていた場合は、相続人の共有財産を使ってしまっているわけですから、これも各相続人が損害賠償請求権あるいは代償請求権を持っています。いずれもすでに各相続人に帰属してしまっているので、遺産分割協議を行う必要がないように思われますが、できるだけ遺産分割協議で解決するのが望ましいです。
それが叶わず相手が支払いに応じない場合は、民事訴訟の手続きによらなければなりません。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 22:45| Comment(0) | 業務

2017年02月11日

遺産分割協議が整わないうちに相続人の一人が亡くなってしまった場合

ある方が亡くなって、その遺産分割協議がまだ整わないうちに、相続人の一人が亡くなってしまいました。
この場合、この亡くなった相続人に妻や子がおれば、その方たちが亡くなった相続人に代わって遺産分割協議に加わります。
この点はご存じの方も多いのではないでしょうか?
しかし、ここで面白い判例を見つけました。
この亡くなった相続人に妻も子もない場合、つまり独身だった場合、この方の相続分は他の相続人に帰属してしまうのでしょうか?
平成元年の最高裁の判例では、この場合民法958条三項の規定を適用すべしとしました。
つまり「相続人が一人もいない場合には、家庭裁判所は、相当と認めるときは相続される人と特別の縁故関係があった者、すなわち生活を共にしていた者や相続される人の療養看護に努めた者などの請求により、遺産を清算した残りの財産の全部または一部をこれらの者に分与することができる。」を優先すると。
ということは「共有者の一人がその持ち分を放棄したとき又は死亡して相続人がないときは、その持ち分は他の共有者に帰属する。」という規定は、共有者の一人が相続人なくして死亡した場合、その共有持ち分は当然に他の共有者に帰属するわけではないということになります。
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 21:38| Comment(0) | 業務

2017年02月10日

「相続させる」遺言と寄与分の請求

「相続させる遺言」旨の遺言がなされているときは、特定相続人は寄与分に影響されることなく、特定遺産を取得できることになると解されています。寄与分の考慮は残余遺産の範囲内でしか行うことができず、これを超えて特定相続人に代償金を請求する方法はないということになります。
したがって、「相続させる」旨の遺言が全遺産についてなされているときは、寄与分を定める請求又は申し立てをする機会はありません。(日本加除出版「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」より)
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 23:40| Comment(0) | 遺産相続 遺言

2017年02月09日

「相続させる」遺言があった場合の遺留分減殺請求

「相続させる」旨の遺言によって遺留分を侵害された相続人は遺留分減殺請求をすることができ、減殺の順序は遺贈と同列となります。
また特定の遺産についての「相続させる」旨の遺言と全財産を「相続させる」旨の遺言の場合で遺留分減殺請求をした者は、訴訟による共有物分割手続きによって共有関係を解消することになります。
そして割合的「相続させる」旨の遺言の場合は、特定の財産が受益相続人に帰属しているわけではないので、遺産分割手続きによります。(日本加除出版「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」より)
posted by 行政書士川島幸雄(埼玉県羽生市) at 20:35| Comment(0) | 業務